ポエトリー:
『雨の日のリオデジャネイロ』
世界の理(ことわり)を
通り抜けるリオ
雨の日の
友達の泣き顔は冷たい
おおらかな窓を開け放つリオ
普段の行いは鮮やかに晴れ
けれど雨の日のリオ
友達は泣きはらす
揺さぶる手に
先代に拾われてきた貝殻
耳に当て
覗きこむフリを
大好きなのは波打ち際
羽目を外し戯れの貝殻
沈み混む時を
待ちきれない
だからじゃない
黙って去ったのはだからじゃない
上目遣いで
砂から出て来れない時よ
雨はもうしばらく続くから
そっとしてやれよ
雨の日のリオ
冷たいよ
もっと祈りを
雲を振りほどく
朝の光を
2018年6月