ポエトリー:

「春」

 

あんなにうちとけたのに
花びらは真っ白なまま行ってしまった
魂は何も起こらないまま
また会えたならと意気地のない

そうこうしている間に
春は過ぎてゆき
夏を迎えるころ
星雲はことばを携える

ときに狼狽し
ときにうる覚えのわたしたちは
実はなにもわかっていない

そこにいたのは春のこと
実をつけ熟すのは
まだ先の話

 

2025年4月

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