Make ’em Laugh, Make ’em Cry, Make ’em Wait / Stereophonics 感想レビュー

『洋楽レビュー:
 
『Make ’em Laugh, Make ’em Cry, Make ’em Wait』(2025年)Stereophonics
(メイクエム・ラフ、メイクエム・クライ・メイクエム・ウェイト/ステレオフォニックス)
 
英国の国民的バンド、2年ぶり13枚目のオリジナル・アルバム。今作の収録時間は30分にも満たないフォニックス史上最も短いアルバムだそうです。短かろうが何だろうがデビュー以来ほぼ2年おきの新作を出し続けているわけですから、たまにはこういうのもあるでしょう。で、当然のように英国チャート1位!これで9作目の1位!
 
彼らの場合、これぞフォニックスなロック・アルバムと割と大人しいアルバムを交互に出すイメージがありますが、今作はみんなの期待するフォニックスですね。前作も最高だったのですが、その後に静かなケリー・ジョーンズのソロ作を挟みましたから、今回は定番のということでしょうか。ていうかその方が彼ら自身も楽なんじゃないか。
 
毎回思うんです、流石にフォニックスもそろそろアカンのん出すんちゃうかと。で、ちょっと心配しながら聴くわけですけど、いつもあらゆる面で期待の少し上を行く。ていうか大人気バンドですから、普通は期待しまくるんですけど、彼らの場合は何故かハードルを低く設定しちゃうんですね、そろそろアカンやろと。でも聴くとやっぱフォニックスええわ~と言わせてしまう。
 
先行シングル「There’s Always Gonna Be Something」がいなたいミドルテンポの曲で、なかなかいいんじゃないかと思わせつつ、それでもアルバムはどうかねぇ~などど思いながら、1曲目の「Make It On Your Own」を聴けば、わぁ最高!となっちゃう。我ながらいい加減なもんです。1曲目のストリングスの使い方なんて職人技ですな。渋い声でのスロー・ソングも挟みつつ、5曲目の「Eyes Too Big For My Belly」では趣向を凝らしたワイルドな曲でワクワクさせる。なにがどうというわけじゃないんですが、非常に手堅い、外さない。不思議なバンドです。
 
流石に30分弱ということで物足りなさはある。渾身の1曲!というのもなさそうだし、肩の力を抜いてリラックスしてやりゃあこんなの出来ちゃったという感じ。実際はそんな簡単な話でもないだろうけど、今回も期待のちょっと上を行く作品。結局あの声がすべてかなのだろう。来日公演してくんないかなぁ~

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