Imaginal Disk / Magdalena Bay 感想レビュー

洋楽レビュー:
 
『Imaginal Disk』(2024年)Magdalena Bay
(イマジナル・ディスク/マグダレーナ・ベイ)
 
毎年1組は何だこれはというアーティストに出会うが2024年はこれだった。米国のシンセポップ・デュオ、このアルバムが2枚目になるそうだ。もともとエレクトリカルなサウンドは嫌いじゃないけど、それはある程度といったレベルで基本は人肌が感じられるものであってほしい。そういう意味でもこのデュオはちょうどよいところを突いてくる。どこまでが生音かは分からんけどね。
 
並びで言えばパッション・ピットに近いかな。でもあっちの方がドラム感がドタドタしていたので生音感は強い。特徴的なのは女性ボーカリストの声。舌っ足らずなキュートな声がCHARAを思わせる。けどあそこまでシャウトはしない。楽しいのはコーラスだ。普段聴くロック音楽では聴けないような面白いコーラス・ワークをこんな特徴的な声でやられるとそりゃあ楽しいに決まっている。そういえばパッション・ピットのコーラスも印象的だった。最近名前を聞かなくなったけどパッション・ピットの方はどうしているのだろう。
 
こういう手の込んだ音楽ってどっちかっていうと日本から生まれてきそうなので、もう少し知名度が上がれば日本でも人気が出るかもしれない。エモとはちょっと違うけど、曲調は縦横無尽に展開するし、一時期流行ったEDMみたいにドーンと盛り上げるところもある。なにしろこの声なので感情に直接響いてくる。みんなこういうキュートだけどドーンと来るの好きなんじゃないか。
 
シンセポップということで侮るなかれ、結構スケールがデカいぞ。見た目もインパクトあって、今のトレンドとも合致する。楽しい曲がいっぱいあるし、サマソニかなんかで来日すりゃ一気に人気者になりそう。

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