ポエトリー:
「骨格」
ゆれる骨格。
バランスを取るために片足で立つ。
傍らには工事中の立看板。
足元の水たまりはゆうべ出来た。
泥水で姿は映らないが
日差しはたっぷりで反射する。
無理すんなよ。
ゆうべの記憶。
さしあたってあなたがすることは
シチューのダマを丹念に潰しなさい、
白い方の。
仕事ができる人になりたかった。
素晴らしい背伸びをするひとの足元、
特につま先を見て学ぶ。
一学年下の後輩が元気に横を通りすぎても
よろしい、今は気にするな、
追手はそこじゃない。
日差しに匿われたわたしと
日焼けした人々が交錯する日々。
締めなおすにもたついた身体。
視線は何処にやればよいのやら。
気位ばかり高く、
骨格はゆれて足元にはたっぷりの水たまり。
泥水で姿は映らない。
でも反射する光。
2024年4月