ポエトリー:
『耐えきれなくなるなんてこと』
かさねた時の重さに
耐えきれなくなるなんてことは
僕に限ってない
目覚ましく回転する
この心臓の撹拌は
一昨日(おとつい)のことも忘れがち
友達がいなかったからではなく
時に多くの言葉を纏い
見晴らしのよい悲しみを
あっさりと
ずぶ濡れに暮れた夕焼け
身近な恋人たちが泣きわめき
狭い通路に置き去りし
古ぼけた雨傘
道草の、薬草煎じて(約束信じて)
缶切りで傷口抉じ開けるお手伝い
そんな真似
しているのだお前
重ねた時の重さに
押し潰されるなんてこと
世話はない
嵩張った秒針が
何べんも食事を与え
腹帯を弛める
世話もねぇ
世話もねぇや
僕に限って
耐えきれなくなるなんてこと
これからもない
2019年2月