ポエトリー:
『搾取』
インターネットを越えて私たちの脳髄に食い込む彼の地の 貧困 暴力 差別
私たちの栄養は彼の地の困難と地続きだ
ぼやけた人間の宿命を
脳髄に打ち込まれた回線で
私たちは配達する
使い古しの靴下を
私たちは搾取する
隣近所の果樹園を
私たちは強奪する
向こう岸の獲物を
このまま事が運ぶわけがない
私たちはきっと
一杯食わされているに違いない
私はもう聖者にはなれない
私たちは友だちであり
私たちは商売敵
私のナイキのスニーカーは
あいつの裏庭を踏み潰している
2017年5月