ポエトリー:
『サヨナラは指差す方へ』
夜空の天気はご機嫌斜め
指差す方へ落っこちてしまいそう
嘘の塊を粘土細工にして
全てあったことにしてしまう
君の嘘も嘘だと言わずに
平仮名に沿って優しく撫でれば
いかようにも景色は移り変わり
だとしても嘘は嘘のまま
代わり映えしない毎日は過ぎていくもの
だけども本当の事を言った事がないのは僕も同じで
こんな風に夕方の涼しい風が吹いて来ても
朝と今は何も変わらない
けれど変わらない事を良しとして
斜めになった日常を氷砂糖のように噛み砕き
サヨナラ(アディオス!)新しい人
もう僕には今日がない
今はもう明日の事で手一杯で
こんな風にして時間は動いていくものだから
握手する暇もなく君の嘘は全部消去され
星空はなす術も無く
指差す方へ落っこちていく
2017年6月