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銀の月 / 佐野元春 感想
『銀の月』(2021年)佐野元春
佐野元春の新曲がリリースされた。来春に予定しているアルバムからの先行トラックだそうだ。コヨーテ・バンドならではのギター・チューン。コヨーテもいつの間にか聴けばそれと分かる個性が確立されたような気がします。初期のザ・ハートランドも中期のホーボーキング・バンドも割とアルバムごとにサウンドは違ってましたから、バンド・サウンドを固めたまましばらく続けるのは佐野さんのキャリアでも非常に珍しいことかと思います。
『世界は慈悲を待っている』や『エンタテインメント!』に通じるコヨーテならではのダンス・ロック。いや、苦み走ったダンス・ロックと言えばよいか。このダブル・ギターを基調とした独特の疾走感(って言っていいのかわからないが)は完全なオリジナリティー。一方でこれだけ確立してしまうと、次のアルバムでコヨーテ・バンドとしての活動は一旦休止になりそうな気がしないでもない。
そして意味深なタイトル、「銀の月」。僕は涙と受け取りました。若しくは魂。邪険にされがちな弱者のそれらが良き道筋に転嫁される。そういう意思がここにあるような気がします。ていうか感じ方は人それぞれ。いつものようにこうであるとは拘らない、聴き手の想像力を自由に喚起する素晴らしいリリックです。個人的には「そのシナリオは悲観的すぎるよ」という言葉を自分の問題としてどう判断すべきか、まだ僕の中で消化しきれずにいます。
銀の月抱いて 歩いてゆく
行きたいと思う道 目指してゆく
そのシナリオは悲観的すぎるよ
日は暮れて 君は少し笑った
~『銀の月』佐野元春~
はいはい、そういう人ね、に対するリベンジ
先日アップした『TIME OUT!』でこのブログでの佐野のアルバム・
TIME OUT! / 佐野元春 感想レビュー
Eテレ『SWITCHインタビュー 達人たち ~ 佐野元春×吉増剛造』を見て
『SWITCHインタビュー 達人たち ~ 佐野元春×吉増剛造』
Eテレ『SWITCHインタビュー 達人たち ~ 佐野元春×吉増剛造』感想
TV program:
『SWITCHインタビュー 達人たち ~ 佐野元春×吉増剛造』感想
科学を信じ過ぎではないかという声がある。勿論、非科学的な思い込みや一方通行があってはならない。けれど科学ではないところから声を持ってきてもよいのではないか。
コロナ禍の中、専門家の言葉が大きくなっている。未曾有な事件に大切なことだ。けれど一方で文学者の声を頼んでもよいのではないか、僕たちは。もう少し。
甘い戯れ言ではない。詩人の声だ。理屈の通った、理解の微振動を越えた言葉の連なり、の向こうにあるもの。吉増さんの仰る「gh」に打たれたい(嗚呼、と詩人風に、ここでも僕は分かった振りをしてはいけない)。
ということに今、随分多くの人たちが気付き始めている。隙間、零れ、句読点の谷、そうしたものが必然的に人々を助くはず。いや、そうしたものを表現する、どうやって?
もっと近くに忍び寄っておくれ。あなたの韻律を頭の回りに。脳みそに、ではなく。神秘的な言葉の「gh」を神秘的とは言わずに、そこにある物体としてそのまま受け取る。僕たちは誰彼構わず、そうしたことが出来るのではないか。という希望を。
詩は言葉ではないものをなんとか言葉で表現しようとすることだと思っていたが、言葉で表現することではなかった。
TOUR 2020 ‘SAVE IT FOR A SUNNY DAY’』Dec.14.2020 大阪 フェスティバルホール 感想
ポーラスタア
荒地の何処かで
ヒナギク月に照らされて
Us
私の太陽
いつかの君
紅い月
東京スカイライン
La Vita e Bella
星の下 路の上
バイ・ザ・シー
エンタテイメント!
この道
合言葉 – SAVE IT FOR A SUNNY DAY
愛が分母
純恋
誰かの神
空港待合室
優しい闇
(アンコール)
みんなの願いかなう日まで
インディビジュアリスト
ニューエイジ
約束の橋