洋楽レビュー:
Truth or Consequences(2020年)Yumi Zouma
(トゥルース・オア・コンシクエンス/ユミ・ゾウマ)
オシャレやねぇ。こういうの好きです。 オレにはオシャレ感ないけど(笑)。こういうのドリーム・ ポップ言うらしいです。 上手いこと言うてるようでよう分からん言い回しですけど、 あれですよ、囁き系の女性ボーカルにシティ・ポップなメロディー 、それが浮遊感あるサウンドに包まれるっていう。んん~、 それもよう分からん説明やな(笑)。ま、オシャレってことで。
ただまぁこの手のサウンドは好きな人多いですから、それこそ実際 に取り組んでらっしゃるアマチュア・ バンドもたくさんいると思うんです、 なんか出来そう感もあるしね。ただ、 これだけの完成度はなかなか出来るもんじゃございません。 特にメロディですね。世界最強のオシャレ・バンド、 フェニックスを思い起こすようなメロディもいくつかあって、 そこで先ずがっしりと掴まれますね。このメロディを持ってたら浮 遊感だろうが、対極なハードロッキンだろうがなんでもイケルで~。
加えて耳当たりがすごく良い。韻なんですけど、 その踏み方というか流し方が抜群ですね。 あと言葉の切り方ですか、例えば#3『Southwark』 のサビですけど、「Oh and I am imperfectly yours」って繰り返すんですけどここを「Oh and I am imper」と単語の途中で一回切って「fectly yours」って続けるとこなんてオシャレそのもの。つーか「Oh and I am」って言い回しもオシャレやないかい。ここに一拍ずれたようなコーラスがこれまた囁きボイスで被さ ってくるっていう、どんだけオシャレやねん! こーゆーのが全編流れてますから、もう盤石ですね。
ところでこのバンド、 昔タワレコで手書きポップに惹かれて視聴した記憶がありまして、それは多分デビュー作だったと思うんですけど、 聴いていいなとは思ったんです。ただそれ以上のものはなかった。 要するにまだ雰囲気に勝るものがなかったんですね。 でも名前は記憶に残った。そして2020年の年間ベスト、 なんの媒体だったか忘れたけどそこそこよい順位で載っていた。 あぁ、あのバンドじゃないかと。で聴いてみたら、 すごく良かった。バンドとしての音像が完成してるじゃないですか。 こうなりゃ強い、 しばらくは良い作品を出し続けるんじゃないかと思います。
製作の方ですが、連中はニュージーランド出身ですが、 リモートで作っています。 それもコロナだからというんじゃなくて、 メンバーがロンドンとかニューヨークとか別々に暮らしているから 前々からそういうスタイルだったと。 2020年はリモートで作られた作品が数多くありましたけど、 彼女たちはとっくにリモートでやり込んでいてそういうスキルもち ゃんと磨いてきているわけです。だからか分からないですけど、 聴いててやっぱちゃんとバンド感がある。 個々ではなくバンドとしての音が飛び込んでくる。 そういう仕組みのそういうバンドで、なんか雰囲気も独特な感じはあります。
しかしまぁ、フェニックスとかThe1975とかオシャレ・ バンドめっちゃ好きやなオレ。最近じゃThe Japanese House とかもそおやし。そのオシャレ感、オレにも分けてくれや~。