OTODAMA’22～音泉魂～　2024年5月5日　感想 – スタイル・オブ・ファー・イースト

ライブ・レビュー：

OTODAMA’22～音泉魂～　2024年5月5日　感想

2年ぶりにOTODAMAを見に行きました。僕が行ったのは2日目です。グレイプバインに奥田民生に羊文学にくるりにコーネリアス。僕の自宅から会場へのシャトルバス乗り場がある泉大津駅までは自転車で30分ちょい。そんな近場にこれだけの人たちが来るなんて夢のようです。

会場である泉大津フェニックスへは11時頃に着きました。もう少し早い時間だとシャトルバス乗り場はかなりの行列だったようですが、この時間だとまったく混んでいませんでした。駅にはスーパーが直結していますから、ここでお弁当などを買えるのもいいですね。会場のフードエリアは物凄い行列になりますから。僕は自分でおにぎりをたくさん作って持っていきました。

会場に到着後は後方の芝生にシートを敷いてのんびりと過ごしました。やおら立ち上がったのは清水ミチコの時ですね。どんなことするんだろうと興味津々でステージの方へ見に行きましたが、想像以上でした。モノマネは勿論のことですが時事ネタが秀逸で、小池都知事のカイロ大学ネタや、高級腕時計転売ヤー、極めつけは裏金キックバックの替え歌ですね。めちゃくちゃ面白くって涙流して笑ってしまいました。他にも作詞作曲モノマネというのがあって、要するにいかにもあのバンドが歌いそうな曲を勝手に作るってネタですけど、これもめっちゃ面白かったです。

要するに彼女は単にモノマネの人ではないんですね。一言で言うと批評精神がある。その上でそれを面白おかしく表現する技量と才能がある。まずはめちゃくちゃ面白いんですけど、その裏にある彼女の笑いに対する向き合い方を垣間見れたような気がしました。すごい方です！

続いて見たのはグレイプバイン。昨年に出た新しいアルバムからもいくつか演奏していました。曲もいいし、バンドもいいし、ボーカルもいいし、もう間違いないですね。なかでもボーカルの田中和将の身のこなしがいちいち格好いい。歌ってる姿、ギター弾いてる姿が絵になる人ってそんなにいないです。多分鏡の前でカッコいい身のこなしを練習してると思うんですけど、やっぱロックはこうでなくちゃね、格好よく決めないと。

次は奥田民生。高校の頃はユニコーンが好きでしたし、『E』アルバムまでのソロ作も聴いていました。ただもう今は全然聴いていないので、後ろの芝生で寝っ転がってゆっくり聴き始めたのですが、1曲目の『手紙』が始まったら格好いいのなんの。すぐに立ち上がってステージの方へ向かいました。しかしさすがに人が凄かった。今日イチだったかもしれないです。

その後はくるり。本番前にリハーサルとして2曲もやってくれました。さすがのサービス精神です。去年出たアルバムから『California coconuts』と『In Your Life』を演奏してくれたのも嬉しかったですけど、一番グッと来たのはまさかの『東京』が聴けて、その後の『ロックンロール』ですね。ちょっと泣きそうになりました(笑)。最終曲の終わりそうで終わらないメドレーも最高でした。近頃は歌以外のとこは飛ばしちゃう、聴かないなんて人が増えたそうで、それに抗うようにってわけでもないでしょうが、ロックバンドの醍醐味、ロックバンドとしてのエンターテインメントショー、存分に楽しませてもらいました。

次の羊文学の頃は随分と肌寒くなっていました。僕はこんなこともあろうかとマウンテンパーカーを持ってきていたのですが、この日は非常に風が強くてそれでも寒かったです。羊のフロント二人は肩出しドレスでしたけど、寒かっただろうな。2年前にもここで見ましたけど、明らかにパワーアップしていました。塩塚モエカの声もたくましくなって、ギターの音量もデカくてシューゲイズ感たっぷりだし、格好よかったです。茶目っ気あるコールアンドレスポンスのグダグダ感との落差がすごい(笑)。

そして最後はコーネリアス。なんかそのままの流れで1時間ぐらい立って待機してしまいました。おかげでかぶりつき！一番前で見ることが出来ました。先ずは’夢中夢ツアー’と同じステージセットをちゃんと持ってきてるのが嬉しかったですね。ツアーでもえらく感動しましたけど、この日もやっぱ凄かった。それまでに出てきたロックバンドももちろん素晴らしいのですけど、ちょっと異質な、オレ今見たことのないものを見てる、みたいな感じはやっぱありますね。ここだけフジロックのようでした、行ったことないけど(笑)。どないなってんねんなのドラムのばち捌きが間近に見れて感動！

コーネリアスの終演後には花火が打ちあがりました。ラストにフラワーカンパニーズはまだ残っていましたけど、いわゆるヘッドライナーのポジションになるコーネリアスが終わったタイミングでの花火というのが祝祭感があってとてもよかったです。

今年もサマーソニックへ行く予定にしていますけど、なんかここ数年で一番よかったフェスでした。腹抱えて笑ったし、カッコエエ～という瞬間もあったし、感動的でもあったし、各演者それぞれの個性が立っていて、それぞれに楽しみ方があって、そしてなにより熱くない(笑)。逆に夕方以降は寒いぐらいでしたけど、やっぱ5月の連休の時期がええわ。真夏はしんどいっす!!

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