When You See Yourself / Kings of Leon 感想レビュー

洋楽レビュー:
 
『When You See Yourself』(2021年)Kings of Leon
(ホエン・ユー・シー・ユアセルフ/キングス・オブ・レオン)
 
 
前作の『Walls』が2016年だったので、5年ぶりということになるが、全くそうは感じない。キングス・オブ・レオンは大体いつもそんな感じで、忘れた頃にあぁそういえばという形で新作がリリースされる。それでも出たら出たで年間ベストにしそうになるほど気に入ってしまうから不思議。でも時間が立ってみるとそうでもなかったり。今回も久しぶり、で気に入ってほぼ毎日聴いています。そのくせ待ち焦がれ感0。僕にとってキングス・オブ・レオンとはそういうバンドである。
 
そういうバンドは他にもある。ステレオフォニックス。なんだかんだ言ってこの2組は新作が出たら必ずチェックしてしまう。どちらもどっちかっていうと地味なバンドだ。でも間違いない。盤石だ。毎回特に目新しいことはないが、あの声とあのバンドの演奏はそれ以外の何物でもない。どちらも泥臭い男4人組。今時こんなロック・バンドは珍しい。とか言いながら、キングス・オブ・レオン、前作に続き全英1位。
 
キングス・オブ・レオンのアルバムには毎回、キラー・チューンが2、3曲入ってる。今回で言えば、#5『A Wave』とか#6『Golden Restless Age』なんかがそうだ。中でも#10『Echoing』は白眉。彼らの曲って演奏もそうだけど、馴染みがいい。もしかしたらどっかで聴いたことある?っていう。良い曲にはあらかじめノスタルジーが宿っていると言うのを聞いたことがあるがまさしくそれ。つまりこちらが求めているサウンドを期待通り奏でてくれるということ。そうか、#10『Echoing』が一番好きなのはそういうのがいっぱい詰まっているからか。
 
勿論基本的によい曲を書くのだろう。演奏も上手いのだろう。でもあからさまじゃない。なんとなくいい。琴線を突いてくる。あの声だし、抜群のギター・フレーズだし、勿論ベース・ラインも畳みかけるドラムも。でも多分それらはビッグ・マックじゃない。フィレオフィッシュぐらい。ただ久しぶりに食うとやっぱオレ一番好きなのフィレオフィッシュかもって。そして時間が経つとそれも忘れちゃう。ビッグ・マック派手だしね。
 
僕は自分で思ってる以上にキングス・オブ・レオン好きかもしれない。そこで『Walls』(2016年)、『Mechanical Bull』(2013年)と遡って聴いてみた。うん、やっぱり好きだ。これ、絶対ライブ楽しいで。
 
キングス・オブ・レオンとステレオフォニックス。ともに待ち焦がれ感0。でも新作が出たら嬉しくなる。恐らく僕が頭に描くロック・バンドとはこういうバンドなんだろう。

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