Eテレ「落語ディーパー~長屋の花見~」 感想

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Eテレ「落語ディーパー~長屋の花見~」 2019.3.4放送 感想

 

「落語ディーパー」がこの3月からまた始まりまして、この日はその1回目。その間出演者それぞれに佳き事があった模様で、中でも柳家わさびさんと柳亭小痴楽さんのお二人は真打に昇進したらしく、なんともお目出度い限りでございます。

記念すべき再開1回目のお題は「長屋の花見」。なんでもこちらの演目は‘The 落語’と呼べるような基本中の基本だそうで、人が沢山出てきてわちゃわちゃしたり、食べる所作があったり、落語の基本的な技術が大凡網羅されてると。だから演じる方は難しい。そういう演目だそうです。

話の中身も大した話じゃありません。貧乏長屋の住人が大店(おおたな:大家さんのことです)に連れられて花見に行く。けれど貧乏だから酒がありません、アテもありません。ま、貧乏は貧乏なりの宴会でもしますかっていう話です。で、このどうってことない話を面白おかしくってんですから、演じる方には技量がいる訳です。

この番組のいいとこは過去の名人の話を観れるところ。ほんのさわりですけどこれがいいんです。落語家と言っても沢山いますから、僕みたいな落語の初心者にゃどっから手を付けたらいいか分からない。そこでこういう風に観せてもらえると、じゃあこの人のをちゃんと聴いてみましょうかとなるわけで。僕も早速今回VTRが流れた5代目柳家小さん師匠のCDをば借りて参りました(笑)。

てことで、今回の「長屋の花見」は小さん師匠のVTRが流れます。まぁ上手いです。そりゃまぁ人間国宝ですから、素人の僕が聴いてもこの方凄いなと思います(笑)。肩肘張ってなくて淡々としてんですけどね、妙な可笑しみがあるんです。周りにもいませんか。この人が話すと妙に面白いって人。よく聞きゃ面白くもなんともない話なんだけど、この人が喋るとなんか面白い。その人間国宝レベルってことです(笑)。

「長屋の花見」ってのは元々は上方の「貧乏長屋」って話だそうです。それを5代目小さん師匠の師匠の師匠が東京に持ち帰ったそうで、番組では「貧乏長屋」演ずる6代目笑福亭松鶴の声(映像は無かったです)が流れました。懐かしい声やね。子供心に何となく覚えていますが、落語はちゃんと聴いたことが無いので、またネットでも観ようかと思います。まぁ便利な世の中や。

ちなみに「長屋の花見」は花見ですから、ちょうど今の時期、2月、3月にやるそうで、それもちょいと早い時期にやるんだそうです。ま、それが‘粋’ってことで、逆に桜が散り始めてんのにこれをやっちゃうと‘不粋’ってことになるんでしょうな。

そして番組後は番組ホームページで出演者による「長屋の花見」がフルで観れます。今回は春風亭一之輔さんです。例のごとく「ったく、しょうがねぇや」って感じがこの話によく合ってますな。

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