Forever Howlong / Black Country,New Road 感想レビュー

洋楽レビュー:
 
『Forever Howlong』(2025年)Black Country,New Road
(フォーエバー・ハウロング/ブラック・カントリー・ニュー・ロード)
 
 
バンドのソングライターでありボーカリストであったアイザック・ウッドなる人物が脱退したそうだ。批評家筋からの評価が非常に高く、いわゆるテクニカルに聴かせるバンドではあったのだけど、過去2作はざっと聴いても僕自身はあまりピンとこなかった。一般的にウケるようなバンドではなかったのかもしれない。
 
主要人物が抜けたことで、残ったメンバー5人のうちの女性メンバー3人(あとの2人は男性)が新たに曲を作り、新たに歌うようになったとのこと。しかもそれを3人が代わるがわる行い、スタジオ・アルバムに先立ち、新しい曲のみのライブ・アルバムを出したと言う。普通はバンド瓦解の危機ではあるのだけど、とてもポジティブに新しく活動をしている。
 
印象としてはフォーキーな方へ流れていったように感じる。その中でバンドの特徴であるホーンも交えながら演劇的な曲展開を見せるが、テクニカルな部分はそのままであっても風通しはよくなっているような気はする。まるでインディ・ロック・バンドによるミュージカルようで、歌詞は読めていないけど印象としては朗らか。とても重要なことだと思う。
 
3枚目ではあるけど、再スタートということで実質的にはデビュー・アルバムのようなもの。まだやりたいことに振り切れていない気はするし、曲そのものというよりバンド・アンサンブルで引っ張っていくスタイル。これからソングライティングを学んでいくだろうし、三者三様のボーカル個性も際立つようになるだろう。伸びしろはまだまだある。

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