Eテレ「日曜美術館 蔵出し西洋絵画傑作15選(3)」感想

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Eテレ「日曜美術館 蔵出し西洋絵画傑作15選(3)」2020年7月19日放送回 感想
 
 
Eテレ「日曜美術館」で放送中の西洋絵画15選、3回目も非常に濃い内容でした。有名絵画ばかりなので絵画という点では特に目新しさは無いのですが、このシリーズの目玉は何と言ってもこれまでの放送、あるいはNHKが所蔵するアーカイブの中から登場する作家、あるいは著名人たちの過去映像です。今回もすごい人たちが登場していました。
 
冒頭のマネ「草上の食卓」で登場したイッセー尾形さん。大好きな方なので、ここでテンションが軽く上がったのですが、そのあとはあの池波正太郎!すげぇ、さすがNHKや、と思って見ていたらなんとゴッホ「ひまわり」のところで忌野清志郎だぁ!かっこいい!めちゃくちゃ興奮してしまいました。キヨシロー、ゴッホ好きだったんですね。ゴッホは僕も大好きなのでなんか嬉しかったです。と興奮してしまいましたが、ここのくだりはやはり棟方志功でしょうか。強烈なインパクトでした。
 
この回で僕が一番心に残ったのはピカソ「ゲルニカ」で登場した岡本太郎です。実物大の「ゲルニカ」のレプリカの前で語ります、「きれい」と「美しい」は違うと。「きれい」というのは誰かが作った規範にのっとったもの、あるいは型、時代に合ったもの。一般的に勘違いされているけど「きれい」と「美しい」は全然違うんだと。
 
つまりこういうことじゃないでしょうか。規範から外れていようが何しようが関係ない。作家は真に感じたものを筆やペンを介して表現をする。自分の中に湧き上がる塊、過去にあったどれとも違う新鮮なものを既存の元ある言葉、表現、色使いとは異なる手法で表現をする。そりゃそうです、今までの誰とも同じでない塊なわけですから。で、そこに作家それぞれの固有のアプローチがあり、そこに「美しさ」はある。すなわち司会の小野正嗣さんが流暢なフランス語で仰ったように「醜悪なものにも美は存在する」のです。
 
それにしても、、、ピカソが富士なら岡本さんは何合目あたりですかと問われて、「僕はもう越えちゃてると思うけど」と答えた岡本太郎、かっこええ!

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