映画『最強のふたり』 感想

フィルム・レビュー:

「最強のふたり」 2011年公開 感想

 

人間の価値って何だろう?
勉強が出来ることや仕事が出来ること?
頭がいいことや力を持っていること?
育ちがいいとかお金を持っているってのはどうだろう?
上手く立ち回れるってのは?

多分、
人の価値というのはそういうことではなくて
例えば音楽
例えば絵画
いや、そういうのが出来るとか出来ないとかじゃなく、要は心の有り様
‘正しく人と向き合えること’

頭が良くてお金持ちになっていい暮らしをするっていうのは
そりゃそっちの方がいいと思うけどただ実際は
そういうことだけで心の隙間や空白は埋まらないということを
薄っぺらに感じながらも
毎日、知っている人やあんまり知らない人に会って
おはようだのこんにちはだの言いながら
誰かの手助けをしたりされたり
ちょっかいを出したり怒られたり

そうやって心の隙間や空白は小さくなっていくものだと
これもまた薄ぼんやりと知りつつも
やっぱり大事なことは忘れがちになるから
なるべく意識しておはようだのこんにちはだの言いながら
困っている人がいたら考えずに手を出して
それで間違って恥をかいても構わないし
買い物行ったらレジの人とお話したりなんかして
自分なりのやり方で毎日人と向き合いながら
今日もじゃあ行ってくるわっていう

時にはそれで諍いもあって
でも本来人と人は分かり合えないものだから
だからなんていうか
個人が個人として立って
個人として接していく
そうやって日々の浮き沈みを過ごしていく
特別に誰かと繋がろうとかではなく
自分なりに人と向き合える毎日がいいし
そこにユーモアがあれば尚いいし

だからここで強引に言えば、
この映画の主役二人は「最強のふたり」だなと思うわけです(笑)

ということで、
この映画を観て最初にぼんやりと思ったのは
人間の価値って何だろう?
そういう問いでした

 

映画『最強のふたり』(原題: Intouchables):
2011年のフランス映画。頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を、ときにコミカルに描いたドラマ。そんなことまで言う!?っていう若者ドリスと堅苦しそうで実は柔らかなフィリップとの掛け合いにゲラゲラと笑うこと請け合いです。

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