アート・シーン:
興福寺 国宝館 リニューアルオープン 感想
2018年元旦よりリニューアルオープンした奈良興福寺の国宝館へ行って参りました。とその前に興福寺東金堂を参拝。国宝館目当てで行ったのですが、東金堂もスゴクよいです。正面に薬師如来坐像、その左右に維摩居士坐像、文殊菩薩坐像、更に日光菩薩立像、月光菩薩立像と並び、その周囲を十二神将立像が取り囲みます。更に四隅を四天王立像が配置する迫力の国宝群です。ちなみに薬師如来坐像と日光・月光菩薩立像が銅造で他は木造になります。
ここの日光・月光菩薩立像は片方の手が手の甲を上にして指先をちょんと跳ね上げる格好でまるでペンギンみたい。穏やかな表情と相まってかわいいです。
さて、リニューアルオープンの国宝館。奈良時代に創建された食堂(じきどう)の外観をイメージしているそうなので外観は至って地味です。ん?リニューアルなのにこれがそうなの?って感じで遠目には分かりにくいですが、中に入るとすんごいです!
館内は白で統一されたシンプルな内装なので像が一層際立ちます。像を痛めることのない柔らかなLED照明もよい感じ。昨年の乾漆群像展で見た乾漆八部衆立像や乾漆十大弟子立像も配置の妙で素晴らしかったのですが、この国宝館で見る像はひとつひとつが独立して配置されていて距離も近いので凄くじっくり見れます。ホントに素晴らしい。間近に見る阿修羅像や迦楼羅像は最高です。
阿修羅像は人気があるので皆さんそれぞれに感想をお持ちでしょうが、私がこの日感じたのは性別を超越したところ。もともと神様に性別はないそうですが、私は今回どちらかというと女性の面影を強く感じました。それも古風な面立ちではなく凄く現代的なお顔。本当に美しいです。
他の八部衆立像と比べても根本から造形が異なるようですし、もしかしたらこの現代的なお顔には実在のモデルがいたのかもしれません。男だったのか女だったのかは分かりませんが、そこに幾ばくかの物語があったかもしれず、そんな風にして想像を巡らせるのも楽しいものです。
素晴らしい仏像や絵画というのは見る場所や時に応じてに異なる印象を与えてくれます。ここで見られる仏像についても全くそのとおりですね。
あと国宝館の中心におわします5メートル超の木造千手観音立像も圧巻です。これも間近に見れますよ。
ここでひとつ豆知識。奈良にある国宝の仏像は東京をはじめ各地の展覧会に引っ張りだこだそうですが、元々の所在地から移動するときは一度魂を抜くのだそうです。したがって、各地の展覧会で展示される場合は美術品として扱われるので拝観と言います。一方、ここ国宝館の阿修羅像たちは魂が入っていますから参拝と言います。たまたま国宝館のスタッフの方が館内で観光案内をされていたのを聞いた受け売りですが(笑)
私が訪れたのは1月3日でしたが、やはりお正月ということで春日大社へ向かわれる方がメインのようで、オープンしたばかりの国宝館は人もまばら。すごい人で見れないかも、なんて心配していましたが、しっかり堪能できました。堅苦しくなく、リラックスした雰囲気ですので、仏像にちょっと興味があるんだけどイマイチよく分からないんだよな、って人には是非おススメです。
いやぁ、良かったですね。
今、ダイハード、ダイハード2の連続放送BS朝日を視聴しています。
阿修羅像も同じくらい何度も観たくなります。
ダイハードは30年くらいですが、興福寺の仏像は1200年以上。年輪というか、歴史いや、レガシーってこういうことなのかも知れません。
東京五輪もこんな深さがあるのかも。
石原、猪瀬、舛添、小池さん。
話がそれました。
国宝館についてですが、新しいお寺のスタイルではないでしょうか。読経やお勤め、講話ではない、仏像を通して教えを請う。仏の教えを享受できましたよ。
今回はレガシーにふれる時が良いタイミングだったのでしょう。
ありがとうこざいました。
平城宮が登場します。
WEB小説「北円堂の秘密」を知ってますか。
グーグルやスマホでヒットし、小一時間で読めます。
北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。
重複、既読ならご免なさい。